K-popで学ぶ韓国語! LE SSERAFIM『UNFORGIVEN』韓国語と日本語の歌詞を比較
韓国語を勉強するにあたり、鍵を握るのが「語彙力」です。渡韓歴約30回という韓国好きの方に、K-popを使った「語彙力」の増やし方について解説していただくコーナー。今回は4回目となるコンテンツをお届けします。
K-popを使って増やす語彙力
英語、韓国語と、2つの外国語を勉強した経験から、その大切を痛感しているのが、知っている単語量の多さです。語彙力が増えれば、会話をしていても理解できる内容が増えますし、単語の羅列であっても、いざ!と言うときは通じるものです。
しかしそれにしても、年齢とともに衰える記憶力・・
年々、単語を覚えることに対し、苦手意識が強まっている人もいるのではないでしょうか。
そんな皆様へ、1つの手段として、好きなK-POPソングの歌詞で使用されている単語を拾って覚える、というのがあります。
中でも、韓国・日本両方でデビューしており、同じ曲の歌詞が韓国語・日本語で発売されていたりする場合、両方を比べて見たりするのも大変有意義です。
今回、日本人メンバー2名を有し、日本でも知られつつある「LE SSERAFIM」が5月に韓国で発売し、そして8月23日には日本でリリースされる曲『UNFORGIVEN』について、主要部分の韓国語歌詞と日本語歌詞を比較してみようと思います。
UNFORGIVENで増やす語彙力
まず、冒頭から頻繁に登場するラップ部分
Unforgiven I’m a villain I’m a
Unforgiven 난 그 길을 걸어
Unforgiven I’m a villain I’m a
새 시대로 기억될 unforgiven
난 그 길을 걸어 = 私はその道を進むの
새 시대로 기억될 = 新しい時代に記憶される
部分ですが、日本語歌詞ではそれぞれ
난 그 길을 걸어 -> 私は行く
새 시대로 기억될 -> 記憶されてく
と訳されています。
発音の構造上、どうしても韓国語より同じ音節に込められる単語が少ない傾向にあるのが、お分かり頂けるでしょうか。
そのような中、原曲のニュアンスを損なわずに、きちんと歌詞が収まっていることに脱帽です。
そして、Aメロ、Bメロの後、上記のラップに導入前のこの部分
Unforgiven yes I was bleeding
힘없이 늘 져야만 했던 싸움 but I ride
바란 적도 없어 용서 따위는
난 금기를 겨눠 watch me now
Now now now
韓国語歌詞=日本語訳 -> 日本語歌詞の順にお示ししますと
힘없이 늘 져야만 했던 싸움 = 力なく いつも 負けるしかなかった戦い -> 力足らずだった戦い
바란 적도 없어 용서 따위는 = 望んだこともない 許しなんて -> 許されたいとか望んでいない
난 금기를 겨눠 = 私はタブーを狙う -> 狙うのタブーを
と、これも韓国語の元歌詞に忠実に訳されているのが分かります。
ちなみに、
금기 = 禁忌
漢字を韓国語読みした表現です。
UNFORGIVENのサビ
そしていよいよサビ部分です。
나랑 저 너머 같이 가자 my “unforgiven girls”
나랑 선 넘어 같이 가자 my “unforgiven boys”
Unforgiven unforgiven unforgiven
한계 위로 남겨지는 우리 이름
나랑 저 너머 같이 가자 my “unforgiven girls”
나랑 저 너머 같이 가자 = 私とあそこを超えて一緒に行こう -> 超えていこう 共に c’mon
나랑 선 넘어 같이 가자 = 私と一線を一緒に越えよう -> 一線を越え こっち c’mon
가자の部分にc’monを当てはめているところが、非常に興味深いです。
ここで同じ「超える」意味する「넘어」と「너머」の違いですが、너머は、(何かの)向こう、~越しという意味で、ここはあそこのさらに向こうという意味です。넘어は、(何かを)越えて、ここでは一線を越えて、というニュアンスで、区別して使用する単語であることにも注目です。
そして、
한계 위로 남겨지는 우리 이름 = 限界の上に残される私たちの名前 -> 限界の先に名が残る
と、ここもうまく当てはめられてますね。
以上、大ヒットの予感がするLE SSERAFIMの日本セカンドシングル『UNFORGIVEN』主用部分について、原曲の韓国語歌詞と今回の日本語歌詞を比較してみました。単語の意味にとどまらず、日本語との音節の違いも非常に興味深いのではないでしょうか。