韓国ドラマ、原題と邦題の比較で学ぶ韓国語

韓国語ドラマ

韓国語の「語彙力」を増やすため、渡韓歴25回を数える韓国好きの方に解説いただいているコーナー。

今回は、日本でも大人気の韓流ドラマに関して、タイトルの原題と邦題を比較しながら、韓国語を勉強してしまおう!というコンセプトでお送りいたします。

韓国語の原題がそのまま和訳され使われているもの、日本人向けに変更しているもの、さまざまです。それぞれにおいて、何ゆえそうなったのか考えることで、単語そのものだけでなく、韓国と日本における単語の使われ方の違いなども分かることがあるのです。面白そうですよね!? 早速お届けいたします。

〇〇の〇〇というドラマ名

まずは、「〇〇の〇〇」というドラマ名。

以前の記事で、

・天国の階段=천국의 계단
・愛の不時着=사랑의 불시착

いずれのタイトルの漢字表記も、意味もそのままの邦題になっている旨、以前にも書いたことがあったかと思いますが、

・太陽の末裔(まつえい)

これはどうでしょうか。ソン・ジュンギさんとソン・ヘギョさんが出演して話題だったこちらのドラマ。原題は「태양의 후예」でした。

直訳すると「太陽の後裔」なのですが、「後裔」という単語は日本ではあまり馴染みがないため、似た意味で使用頻度の高い「末裔」が使用されています。

その他の韓国ドラマ名

ちょっと古くなりますが、

・星から来たあなた

チョン・ジヒョンさんが久々のドラマ復帰、相手役がキム・スヒョンさんということで話題だったこちらのドラマですが、原題は「별에서온그대」とそのままでした。

2人称代名詞には「너」、「당신」、「그대」の3つがありますが、その使い分けが興味深いですね。

「너」は実際の日常会話での話し言葉において、最もよく耳にすることのできるもので、男女関係なく親しい同年輩もしくは目下に対して用いられています。

「당신」は年配夫婦で使用されているイメージです。書き言葉としては、ちょっとあらたまった広告などで、不特定多数に呼びかける目的で使用されているシーンも見かけます。

「그대」は書き言葉としてK-popでもよく登場する単語ですが、話し言葉として用いられることはまずないそうです。

最近、Netflixの広告でよく見かける、

・ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

こちらの原題は、「이상한 변호사 우영우」です。直訳すると「変な弁護士ウ・ヨンウ」となります。

天才的な頭脳と自閉スペクトラム症を持つ弁護士の話なのですが、この「変な」が韓国語と日本語で、ちょっとニュアンスが違うようです。

韓国語では「人と違う」といった要素もある印象なのですが、日本語では本当に「変人」「変わり者」と、ちょっとネガティブなイメージになってしまいますから「天才肌」と当てたのでしょうね。うまいな、と思いました!

いかがでしたでしょうか。ドラマのタイトルだけで、ここまで話が広がるなんて、大変興味深くないですか? 同じように感じてくださる方がいらっしゃると、嬉しいです。